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2009年11月3日火曜日

アンナと過ごした4日間

アンナと過ごした4日間 @ イメージ・シアターフォーラム

これは日経の夕刊で大絶賛されていたから、仕事帰りに
1人で観てきました。そもそもめちゃくちゃ辛口の日経で大絶賛ってなんだ
って思ったのが一つ。

何より久々に純粋なヨーロッパ映画を観た。

色調が暗くて、ストーリーにほぼ山がなく単調なあの感じ。

全くもってテンションがあがらない映画ではあるけれど、
ストーリーはとてもよい。

なんの特徴もない寂れた町で病気がちな祖母と暮らす、陰気で不器用な男
が主人公。ある日看護婦のアンナに恋をして、その日から彼女に気づかれない
ようにそっと見つめ続ける日々が続く。

ある日、釣に出かけた主人公はアンナがレイプされているのを目撃するのだが
見つめ続けたその人がレイプされるのをみて、何もできず立ち竦む。

その場から逃げ出して通報するのだが、釣具を忘れて容疑者になる。
裁判になっても特に否認することなく服役することになった。

っとここまで読んでおもしろいと思った人はいるのかというくらいに
とにかく映像でも単調に描かれる。ただ、このストーリーは映画とは少し
異なるのがタイムライン。

標題の通り『アンナと過ごした4日間』がこの映画のメイン。
最初は諸々突っ込みたくなるのだがまず最後まで観て欲しい。

この服役するまでのストーリーと『アンナと過ごした4日間』、主人公の行動が
タイムラインを隔てて不規則に描かれている。何か夢でも見ているのではないか
といった具合に。

ただただ、表現されているのはもどかしくなるくらい不器用に表現された
『愛』の形。

例えば大島渚の『愛のコリーダ』やトルストイの『クロイツェル・ソナタ』etc.
確かにダイレクトにそれを表現する作品はこの世に沢山あるけれど、ただ見つめるだけ、1センチ先にあるアンナの体にも触れられず・・・。

ある意味すごい世界だし、片想いの真髄がそこにはあるように思える。
頭の中で広がる美しさのとは裏腹にどうしようもないくらい何もできない自分に対する嫌悪と無様さ。

そこであきらめるか、どういうかたちであっても、それを行動にするかは
やはり全く違う。

とりあえず、片想いしている人は観た方がいい。面白い映画じゃないし
例え観たとしても、この映画で勇気をもらえるぞというものでもないけど。

なんか地味過ぎるほど地味だけどとてもいい映画だなと思った。

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